ペレットストーブ 手ごろにできるバイオマス利用

今手ごろにできるバイオマス利用としてペレットストーブが注目を集めています。

ペレットストーブ

ペレットストーブってなに?

ペレットストーブは、森林の成長過程で発生する間伐材や、製材過程で発生する製材クズを原料にして作られた木質燃料の一種である「木質ペレット」を燃料とする暖房機です。木質ペレットは燃焼するとCO2を排出しますが、化石燃料の燃焼とは違い、木が成長時に吸収するCO2であるため、大気中のCO2を増やしません。CO2削減に大きな効果が期待できるペレット燃料は、地球温暖化対策に貢献するエネルギーとして、注目されています。ペレットストーブはヨーロッパのほぼ全域や北米などで広く使用されており、日本でも環境意識の高まりや灯油小売価格の高騰などから、需要は増えつつあります。

薪ストーブ

薪ストーブとペレットストーブは、なにが違うの?

ペレットストーブの外観は一見薪ストーブに似ていますが、燃料としての性質が違うため、内部の構造は異なります。木質ペレットならではの、さまざまなメリットをご紹介します。右側の写真が典型的な薪ストーブです(撮影場所:山の宿ひおき)。

  1. 火力調整や燃料供給がカンタン
    薪ストーブでは薪の投入量で火力を制御しており、積み方に不具合があると燃え方が片寄っていたり立ち消えが起こったりする可能性が高く、きめ細かな調整が難しいことがあります。典型的なFF(強制給排気)方式のペレットストーブでは無段階のダイヤル調節で、火力を自由に調節。また、燃料はモーターで自動的に供給されます。
  2. 燃料の運搬・保管がラクラク
    木質ペレットは木を圧縮成型した小粒の固形燃料であるため、薪よりも場所をとりません。屋内での保管も可能です。
  3. 燃料はいつでも購入可能
    薪は自然乾燥が必要ですが、木質ペレットは工場で常時、製造されており、いつでも購入が可能です。
  4. 灰が少なく、掃除がしやすい
    薪ストーブでは、燃え残りの灰などが大量に発生することがあります。ペレットストーブでは、1日分(10kg)のペレットから出る灰は、お茶碗に1/3ぐらい(約130cc)。燃えかすや灰があまりでないため、掃除がとてもラクになります。※良質な木部ペレットを燃料とした場合。
  5. 煙突工事は必要ナシ
    薪ストーブのように煙突を立ち上げる必要はなく、室内の空気も汚さないため、換気の必要がありません。FF(強制給排気)式のペレットストーブの設置は給排気管を外に出すだけなので、工事もカンタンです。
  6. 煙が少なく、安心
    ほぼ完全燃焼するため、煙はほとんど出ません。ご近所にニオイをまき散らすことがなく、都市部での利用に向いています。着火時(1、2分)もわずかな煙しか出ません。

FF(強制給排気)方式のペレットストーブでは送風、排気、燃料供給、温度調節などのため、少しの電気を使用します。機種にもよりますが、常時70W程度と、低電力です。